個別指導塾の講習会授業料

[記事公開日]2017/04/12
[最終更新日]2017/06/14

以前、個別指導塾の授業料というテーマで、入塾当初に発生する初期費用相場と、入塾以降の毎月の月額授業料について書きました。

そこで今回は、夏休みや冬休みに発生する講習会の授業料を扱ってみたいと思います。

講師1名に対して生徒1名、または2名までの授業をしてくれる個別指導塾の特徴の一つに、「講習会授業料が高くなりがち」という点があります。平均的なサラリーマンの月収の半分、もしくは1か月分ほどの金額になる講習会を提案する塾も見られます。そこで、できる限り安くで授業を受けるポイントを考えてみました。

まず、個別指導塾の講習会料金が高くなる一番の理由は、「講師人件費」が原因です。

講師の人件費が高額の原因

集団塾であれば、講師一人に対してたくさんの生徒が授業を受けていますから、先生の人件費は生徒みんなで負担することができます。しかし、生徒が1名か2人までの個別指導塾であればそうはいきません。そのため、1回あたりの授業料が集団塾と比べて高額になるところに、集団塾のようにたくさん授業を受けようとすると、その分授業料が余計にかかります。

そこで考えられるのは、授業料を安くするには、個別指導塾がやっている集団実施のオプション講座を代わりに受講するか、そもそも受講しない、受けても授業時間数を減らす、ということがポイントになります。

自学自習の習慣が身についているか

どうしたら授業時間数を減らせるか、ということを考えてみると、自分一人で学習ができる場合です。

どうしても講師が隣にいないとダメなら受講するべきでしょうが、自分一人で勉強ができるなら受講しなくて済みます。

講習会で扱う内容が、講師が常に隣にいないとダメな内容なのかを判断する必要がありますし、そもそも、そういう自学自習ができるようになるまで子どもたち一人ひとりを導いてくれる塾なのかどうかを判断することが重要です。

講師が隣にいた方が良い授業とは

「講師が隣にいてわかりやすく説明をしてくれる」「わからない場所が出てきたらすぐに質問ができる」というのが個別指導のウリですが、その塾の学習内容が講師が常に隣にいないと進められない内容であれば、当然授業をたくさん受けなければ先に進めませんし、学力は伸びません。例えば、「学校の授業では扱わない難度の高い問題を出題する高校を受験する」「大学入試に備えて、物理の説明を時間いっぱいしてほしい」という場合は、専門の講師がすぐに隣にいて多くの説明をしてくれる個別指導の形式は魅力的です。また、「学校の先生の授業が分かりにくい」「学級崩壊していて、まともな説明が受けられていない」というのもそうでしょう。

一方で、「地元の公立中学で平均点以上(80点以上)を取りたい」「偏差値50の学校に入りたい」ということが希望の場合は、中学校の授業内容で対応できる内容です。

講師の説明時間と成績は比例しない

塾の講師が長く説明をしたら、その分に応じて成績が上がるなら話は分かりやすいです。また、講師の説明時間は講習会の授業料と比例しますから、お金を払ったら払った金額に応じて成績は伸びるということでもあります。でも実際はそうではないです。肝心なのは、生徒が自宅でちゃんと学習することが重要です。

「自宅で学習を…といってもうちの子は何をしたらいいかわかっていない」と思われる保護者が結構います。もちろんです。この手の相談は非常に多く受けます。ですから、塾がそういう家庭での学習の仕方を指導してくれているところなのかどうかです。「うちの子は自宅で勉強はしない。だから塾だけの授業で完結させてほしい」とおっしゃられる方がいますが、家庭学習の時間まで塾の授業ですべてをフォローしていくと、お金がいくらあっても足りません。英単語を覚えるのに、隣に講師が付きっ切りになる。そういうことです。

そもそも、学校の内容を理解して、そのテストで80点を取りたいのであれば、学校の授業がちゃんとわかっていればいいことです。そして塾から家庭学習の仕方を指示してもらって、自宅でやればいいのです。そうすれば、みなさんが得たい成果によっては、講習会を受講しなくて済む可能性が生まれます。

勉強の仕方を教えてくれる個別指導塾

自宅での勉強の仕方を指導してくれている塾なのかは以下の点から推し量ることができます。

①問題集の解答を渡されているかどうか

家庭学習を進めるためには自己採点をするために問題集の解答が必要です。それを塾が預かりっぱなしになっていると、講師がいないと勉強が先に進めないことでもあります。(もちろん、解答をそのまま写したという過去がある場合は別ですが…。)

②塾に通ってから「点数が上がったか」もしくは「家庭学習時間が増えたか」

入塾前と後を比較しても、テストの点数は上がっていない、そしてそのための家庭学習量(時間)も増えていない、となっているなら、講師がつきっきりにならないと点数は上がりません。

ただ、塾に通い始めて6か月たってそこから家庭学習時間が増えるというのはあり得ないことです。やる気があるのは新鮮味を感じる入塾後1ヶ月ですから。その期間中に勉強の仕方が定着していないのに、半年たってからやる気が出て、家庭学習時間が増えるのは考えにくいです。

③自習のときに社員か常駐のスタッフが見てくれる

1教科あたり、70分から90分ほどの週1回1科目の授業が個別指導塾では一般的です。果たして、これだけで家庭学習の方法の定着ができるかどうかです。いろいろと説明しても、1週間たったら忘れます。特に「今まで自宅でほとんど勉強していなかった」というお子さんの場合は、最初は塾での家庭学習方法の指導が必要です。ノートの書き方、問題集の取り組み方、英単語の覚え方、間違えた問題はそのあとどう使うか、などなど…。

講師から「これができたらこれをノートにこうやって書いて、その次はこれを覚えよう。それができたらテストするからね…」と逐一指示を出してくれることでやり方が体で理解できます。そして翌日、そのまた翌日もその繰り返しです。

逆に言うと、これくらいのかかわりがないとなかなか学習方法は身に付きません。特に入会直後の2週間~1ヶ月程度は毎日常駐している社員・スタッフが見てくれるところは安心です。こうしてやり方がちゃんとわかっていると、自宅での学習がスムーズにできるようになり、学校の定期テストレベルであれば、週1~2回程度のチェックで済ませることができ、過度な受講は不要です。

他人が見てくれることで学習は進む

ただ、自学自習の際に注意しなくてはならないのは、他人が見てくれる機会を作っておくことです。誰からも何も言われなくても黙々と勉強をしているのであればいいでしょうが、そういうお子さんはまれです。多くは指摘してもらって初めて気づいたり、褒めてもらって「また頑張ろう!」という気持ちになります。見られるからやります。

そういう意味でも、上手に個別指導塾を利用して、お子さんの成長の機会としてください。

 

なお、英信個別の講習会は、こちらから提案はしますが受講は必須ではありません。

自習させる、そしてそれがちゃんとやったかどうかのチェックを中心とした、最低限の受講数を提案する塾です。