個別指導塾の授業料

[記事公開日]2017/03/24
[最終更新日]2017/06/14

 そもそも、個別指導をうたっている塾の授業料はいくらが相場でしょうか。

 まずは、入塾するときにかかってくる、初期費用について考えてみます。

 

初期費用

「入会金」「入塾金」

 これは塾によって大きく異なる部分で、0円から20,000円くらいの幅があります。

 キャンペーン期間によってはこれが半額であったり、無料であったりします(特に入会者の増える2~4月や夏休み前などによく実施されます)。

 すでに通っている生徒からの紹介、学習塾の紹介サイトを経由することで入塾金が安くなったりもしますから、通りすがりに目についた塾にふらっと中に入って「ここにしよう」と決めるよりも、ある程度の準備をされておくことをお勧めします。
(もちろん、急に来られた方に対しても入塾金半額・無料を適用してくる塾もあるでしょうが)

*なお、英信個別は学習塾の紹介サイトへの掲出はしておりません。特定のサイトを経由することでの「入塾お祝い金」「ギフトカードプレゼント」などはございませんので、もし体験授業や無料相談をご希望の方は、そのままご連絡ください。

(紹介サイトの掲載は掲載料がかかってしまうので…。経費削減です。)

 

「教材費」

 私が知る限りでは問題集の費用が0円という塾はありません。ですから最初にどんな問題集をどれだけ購入することになるのかという確認も必要です。1教科だけの購入なのか、それとも5教科の購入が必須なのか、通っている学校で配布された問題集を持ち込んで学習を進めることが可能なのか…。

 これら教材費の考え方を、公立中学生の場合を例に挙げて考えてみたいと思います。

 

教材の種類

 例えば「英語の問題集」と一言に言っても、扱っている内容によっていくつかの種類があります。代表的なのは学校の教科書に沿った問題集です。公立中学校の英語の教科書は大阪府高槻市はワンワールド、茨木市ではサンシャインが採用されています(中3生は両市ともニュークラウン)。ですから「学校の定期テストを上げたい!」という方はそれらの教科書に準拠した問題集が適切です。掲載されている単語や、文法解説の例文が教科書本文から出ているので、その問題集を使用することで学校の定期テスト対策になるわけです。

 これ以外に、「過去形」「受動態」「不定詞」といった文法が単元別になった「単元別問題集」や、「長文読解問題集」など、学校の教科書には沿わない形での全体復習用のものや発展内容のものなどがあります。

 

教科書準拠の問題集だけでは受験対策はできない

 しかしながら、教科書の内容に沿った問題集は、その学年の内容しか載っていません。中1なら中1の学習内容だけです。ですから、中3の受験学年を迎えたときには、入試対策のために学校の教科書に沿った問題集とは別の問題集が必要です。しかも高校入試は一般的に5教科出題されますから、最低でも5種類は必要です。

 科目ごとでの受講が可能な個別指導塾の場合、「英語1科目だけを受けるために通っているから、英語の問題集しか渡されていない」という場合が起こりえますが、それでは入試対応が不十分ということになります。受講外の科目も問題集を入手して、来るべき入試に備えなければなりません。

 問題集の購入、そして取り組みの開始は入試を迎える直前の12月になってからでは遅すぎます。1年前の春休み前、遅くとも夏休み前には5科全ての復習を始めておくことで、模試の結果、つまり志望校選びに影響させることができます。現在塾に通われている方は、春前には全部の問題集を購入しておいてください。

 そうなると、それなりに問題集の値段がかかってくるということがお分かりいただけると思います。この価格は掲載内容に限りあるチラシには掲載されていない場合が多いですから、前もって確認をされることをお勧めします。 

 ちなみに当英信個別では10,973円です(中1生の場合)。中2・中3生は約2万円です。入会金・入塾金はない代わりに、それら必要な教材はお買い上げいただいています。

 

映像教材の利用

 最近は上に説明をした冊子タイプの問題集に加えて、「プリント教材」(単に塾が問題集をコピーしただけのものではない)やインターネット配信の「映像教材」が充実してきました。特に、映像教材は最近のパソコン利用者の低年齢化と相まって、小学生や中学生の利用を前提とした内容も揃っています。なにより大変安価です。

 「映像教材」と聞くと、ちょっと抵抗感がある方が多いのではないでしょうか。「生身の人間が説明したほうが、我が子の理解度に合うのでは?」「映像でわからないところがあったら誰に聞くの?」という不安です。

 ただ、最近の映像授業は「神授業」と言われるような指導レベルが高いものを映像にしていることが多く、全体的に内容がわかりやすいです。全くの知識がゼロであってもお勧めできる納得の出来栄えです。1か月1,000円以下のものもありますから、うまく利用できると毎月の授業料を抑えることに繋がると思います。

 

やはり人のかかわりは必要

 ただし、映像授業では子どもたちの様子を監督をする人が常時いることが重要です。つまり、「子どもが授業を見て帰るだけにしない」ということです。

 ちゃんと進んだ範囲を確認して声掛けしてくれる大人がいたり、みんなで競って頑張っている雰囲気が教室内にあったり(自分だけ怠けにくい雰囲気)。大人でもそうですが、誰かに褒めてもらったり、指摘してもらうほうが、継続するものです。いくら安くてもここにお金をかけないと、時間も費用も無駄になる可能性が高いです。

 

私立中学生・高校生の場合

 完全に統一したカリキュラムを持っている集団塾・予備校を除いては、私立中学生や定期テスト結果を上げたい高校生は塾側が用意をした問題集を購入する必要がない場合があります。というのは、私立は授業内容が特殊すぎてレベルに見合う問題集がなかったり、学校から支給されている問題集の利用のほうが点数アップにつながると判断できる場合があるからです。このあたりの見極めが個別指導塾の先生の腕の見せ所かもしれません。

 

月額の授業料

個別指導塾では小学生よりも高校生、非受験学年よりも受験生の方が指導する講師の学力が高いものを求められる価格は上がります。ただし塾によって、「小学生は他の塾に比べて安価だが、高校生は高額」またはその逆などがあるので、一概に「あそこの塾は安い」「あそこの塾は高い」とは言い切れません。

複雑なのでひとまず中学2年生、週2回(英語・数学それぞれ1回ずつ)を例に挙げてみます。

高槻市にある一般的な講師1対生徒2の個別指導塾の授業料は月額24,000円~34,000円(税別)といった価格帯です。

これらの価格の幅は何から出てくるかを、①設備の充実度合い、②講師の固定の有無、③塾ごとの独自の取り組み、の3つの観点で説明します。

 

①設備の充実度合い

机、床、壁紙、自習室と言った内装の充実度です。うちっぱなしのコンクリート、土足、机は小さめの学校机タイプ、などで価格が下がる傾向が見られます。快適性を取るかどうかです。

 

②講師の固定の有無

人件費に直結する部分です。固定がなく授業のたびに講師が変わるという塾は人件費が抑えられる分、価格が下がります。固定でないと一見印象が悪く聞こえるかもしれませんが、その分講師間での引継ぎ体制や統一したカリキュラムでの指導体制が整っている場合もあり、一概にマイナスとは言えません。

 

③塾ごとの独自の取り組み

頻繁に講師研修を行っている、独自に定期的な教育情報誌を発刊している、オリジナル学力判定システムがある、毎月の授業報告書を郵送してくれる、定期テスト前には定期テスト対策イベントを実施する、社会人が授業を担当する、などです。このあたりが塾ごとの個性が出ている部分です。

 

その他月額費用

授業料とは別に、多くの塾では毎月の固定費が発生します。「施設費」「運営費」などの名称がついており、塾によって様々です。月額1,500円~3,000円です(ちなみに上記に上げた月額の授業料のモデルはこの料金込み)。「授業料半額」などのキャンペーンであってもこの関連費は半額の対象外であったり、チラシには小さく書かれている程度ですから、確認が必要です。

講師1名に生徒2名以外の個別指導塾

講師1名が同時に指導する生徒数が増えると、もっと価格を下げることが可能です。講師1名に対して1回あたりの生徒数が3名以上になると月額2万円以下のものが出てきます。逆に講師1名に対して生徒1名の体制であれば当然価格は上がります。

「高い塾だから良い」「安い塾だから質が良くない」とは言えません。お子さんの成績が上がるか、お子さんが何を求めているかによります。週1回の高レベル授業よりも、週あたりの受講回数が多い塾の方が適切なときもあるでしょう。

また、クラブ活動が忙しいなどの理由で受講回数に限りがあるなら、週1回だけの通塾で受講外のフォロー体制があるかどうかも見るべきです。1年を通してどれくらいかかるのかを前もって聞くことで納得の入会ができると思います。

 

まとめ

 これに毎月の授業料が加わる計算になります。長く通えば通うほど、毎月の授業料の方が費用的には大きくなるわけですが、それだけに最初に支払うことになる料金は見過ごされがちです。チラシ・パンフレットには記載されていない費用をしっかりと確認して塾選びの参考になさってください。