新しい個別指導塾の形・「自立指導塾」

[記事公開日]2017/05/25
[最終更新日]2017/06/14

講師1名に対して生徒が3名以上の個別指導

講師1名に対して生徒が3人の個別指導で、一人ひとりの生徒に対して詳しく説明をすることができるかというと、なかなかに難しいものです。

生徒が2名までであれば、片方の生徒に学習内容の説明をした後、説明した問題の類題を指示して問題を解かせます。問題を解いている間は講師の手が空くので、その間にもう一方の生徒に解説をして、その後類題を解かせて…ということができます。

このように個別指導は交互に解説と問題演習を進めていくわけですが、これが3人になると結構大変です。詳しい説明を求める生徒が一人でもいたり、問題演習のミスが多い生徒が1名でも出てくると、3人に充てる時間配分が崩れてしまうのです。

そこで、3名以上の生徒がいる場合には、説明を極力減らした問題演習中心の指導形態になります

 

解説部分は生徒が自分で理解する

解説は、学校で聞いてきているはずなので最初から除外するか、問題集の解説部分を自分で読んで理解するか、映像授業を見るか(後述)などして、自分で理解をしてもらうのです。

これは本来は「自立指導」とでもいうべきなのでしょうが、一般になじみのない言葉だと「なんやねんそれ?」となって集客に苦労するので、一人ひとりに併せて学習指導をしているという意味では個別指導と同じですから、そうなるのだと思います。

 

講師が教室内に一人いて、複数の生徒を担当する

講師は特定の生徒につきっきりではなく複数の生徒の間を見回る形になります(もしくは、問題が出来上がった生徒が講師の元に見せに行くスタイル)。

講師は教室全体の様子を見ながら、子どもたちからの質問に答えていくのです。

塾を運営している側からしても、講師を採用するためにかかるコストが年々増大しており、苦しいのが現状です。ですから、「講師が少なくても運営できるスタイル」を求めている部分から生まれているともいえます。

 

授業内容はバラバラのことも

Aくん、Bくん、Cくん、Dくんの全員が全く同じ問題集を使って学習する…ということもありますが、例えそうであったとしても、それぞれの実力は異なるため、徐々に学習ペースは異なってきます。

それらは基本的に常駐している講師からの指示を受けて学習を進めていきます。

このことからもわかるように、自立心や自主性がそもそも身についていないと成績アップが難しいところが難点です。

一方で、講師は同時に複数の生徒を担当できますから授業料は、一般的な講師1名に対して生徒2名までの学習スタイルよりも安価になります。

塾を運営している側からしても、講師を採用するためにかかるコストが年々増大しており、「講師が少なくても運営できるスタイル」を求めている部分から生まれているともいえます。

 

映像授業の導入

この指導スタイルでは、問題演習が中心になるわけですが、タブレットやパソコンといった情報ツールを活用することができれば、解説を個別に行うことが可能になります。

子どもたちはたいていは1回経験すれば操作方法がわかるので、それを使ってどんどん進めてもらうことができます。

ただ、デメリットもあります。それは映像が苦手な生徒が少なからずいるということです。講師からの声掛け、進捗のチェックなどがないと、ただぼんやりしているだけ…ということもありますから注意が必要です。

高校生の映像授業はある程度の自主性が生まれている世代ですからいいのですが、中学生の場合は常時進行具合を確認してくれたり、声掛けをしてくれるチューターの存在は必須と言えます。

 

英信個別の場合

英信個別では、この映像授業を地元公立中学生対象の「セットコース」の理科・社会においてのみ、導入しています(第四中、阿武野中、第二中他対象)。

英語や数学は講師1名に対して生徒2名までの個別指導で、それ以外の科目はチューター付きの映像視聴+問題演習授業です。

これで月額3,000円(授業回数4回分)です。(映像視聴のみの受講はできません。)

*私立中学生の方で映像授業を希望される方は、申し訳ないですが他の塾をあたってください。

 導入している映像の学力レベルを地元の公立中学生に設定をしているため、高難度ではないためです。

 

 

個別指導を謳う塾を複数調べられた場合に、授業料が全然異なることがありますが、その際の仕組みは上記のような場合です。

講師1名が一度に担当する子どもの人数を3人以上に増やすことができれば、一気に値段が下がるのです。

同じ「個別指導塾」の名称を謳っていても、中身は様々です。塾選びの参考にしてください。