[最終更新日]2017/06/14
ある男子中学生の事例
以前、大手の個別指導塾で勤務をしていた時の話です。異動のために新たな教室に着任した際、こんな生徒がいました。私立中学に通う、2年生の男子です。
同じ質問を繰り返す
学校の授業に全くついていけておらず、英語も数学も平均点以下でした。私立の生徒ではありますが、公立中で習うレベルの基本的なことも理解できていない…。
授業中、講師は一生懸命に丁寧な説明していましたが、毎回の授業の様子を見ていくうちに気づいたことがありました。
それは、その子は自宅で全く勉強をしていないのでは、ということです。塾に来るたびにいろいろと質問をしてくれるのですが、前回説明したこともまた質問してきます。もちろん、初めて聞かれることもありますが、でも、以前の説明を理解してくれていたらすぐにわかることもありました。
勉強の仕方
このままの付け焼刃の学習ではまずいな、と思った私はその子を呼び出して個別に「勉強の仕方」を説明しました。単語の覚え方、問題集の使い方、直しの仕方、解答を見るときのポイント…。うんうんうなずいて聞いてくれていました。
そうして2か月ほどあったある日、その子が「塾を辞めたい」と言ってきました。
理由を聞くと以下のことを言われました。
「先生は一生懸命に勉強の仕方を教えてくれる。それはありがたい。」
「でも、勉強を自宅でやろうという気が全くない。今後もやらない。」
「このままこの塾にいても無駄だと思う。だから辞めることにした。」
ということでした。お母様に電話をしましたが、「本人が決めたことですから」とのことでした。
もしかしたらもっと相性の合う塾や家庭教師に切り替えるための方便だったのかもしれませんが、事実本当に自宅でやらないのであれば、このあたりが我々の限界だな、と考えさせられる出来事でした。
成績向上は行動の変化によって得られる
成績を上げるためには、行動の変化が必須です。でも1教科当たり、塾でたった80分の授業を受けただけで、学校の授業でいい点数を取ることはできません。もちろん、その説明を一発で理解する生徒がいるのも事実です。
でもそもそも、学校の授業内容がわからないから教えてくださいという理由で授業を受けている時点で、そこまで理解力のある生徒とは考えにくいです。
1日たち、2日たち、3日たちとすれば、徐々に記憶は薄れていきます。
だからこそ、自宅での学習が必須になります。説明された内容、記憶の定着のためです。自宅の場所がないのであれば、学校に居残りをする、図書室で勉強する、塾に行って自習をするなど、方法は他にもあります。
私はやったことないですけど、今流行のダイエット・ライザップもそうなんでしょうね。トレーナーのいないところでの食事が大事だと聞きます。
今とは違う成績を得たいというのであれば、私は全力でお手伝いします。でもそのための行動も同時に求めます。英信個別はそういう塾です。