指導形態によって異なる「良い講師」とは

[記事公開日]2017/05/31
[最終更新日]2017/06/14

国公立大学出身で、学力があって、指導力があって、説明が的確で、子どもたち一人ひとりのことをよくわかっていてやる気を引き出してくれて…というのが良い講師の条件だと思いますが、そのような人材を講師として集めるのは難しいものです。

どのような業界であっても、走攻守揃ったパーフェクトな人材は稀有です。ここでは集団塾と個別指導塾、そして自立学習塾とでどのような講師像が望ましいかを考えてみます。

 

集団塾の講師の場合

講師1名に対して多数の子どもたちをまとめて授業する集団塾は、学校と同じ指導形態であることから、お金をかけてまで塾に通う意味として「学校よりも難しい内容を教えてくれる場所」であることが重要です。

学校のテストで平均点がとれない子どもたちにとっては、集団塾に通ってまた学校と同じような形態で授業を受けても、また「塾の先生の説明がわからない」ということになります。

そうして、集団塾は必然的に高難度受験を目指す集団になっていきます。

学校の授業は理解できる、そしてさらに上位を狙いたいという子どもたちが競い合う環境としては集団塾がピッタリですから、そこで勤務する講師には一にも二にも、「学力」が重要です。

講師の知識・情報を効率よく子どもたちに教授していく。大きな声でわかりやすく簡潔な説明をする力も必要でしょう。

 

個別指導塾の講師の場合

もちろん、高い時給を払えば高い学力の講師を採用することは可能でしょうが、一般的に生徒数の1/4の人数を講師として抱えなければ運営ができない個別指導塾では、そのような高学力の人材を多数集めることは難しいです。

一般的に個別指導塾での講師の学力はバラバラです。かつて、京都大学の近くの教室に勤務をしていましたが、その時は当然ながら京大生が多く集まりました。

でも、そうではないことが大半です。皆さんのご自宅の徒歩10分圏内に、高偏差値の国公立大学はありますか?普通はないと思います。

ですから、高難度の受験に対して対応できる場合もありますが、むしろ個別指導塾は「平均点前後」「平均点より下」の成績を上げることに特化した授業形態と考えるほうが良いです。勉強が苦手な子どもたちのために、個別でわかりやすく教えるのです。

講師たちに求めるのはそこそこの学力と、それ以上に大事なのは笑顔での接遇です。やる気を引き出すコミュニケーション能力も重要です。

 

自立学習塾の場合(講師1名に対して生徒3~8名程度)

ここでの講師は子どもたちの学習のペースを管理するのが主な役割ですから、さして学力は要りません。それよりも重要なのは子どもたち一人ひとりの様子を見抜く観察力と、彼らのモチベーション維持のためのコミュニケーション能力です。

学習面に関しては、どの学年でどの内容を学習するか、といった教務知識があれば十分です。

ただ、当然のことながら高難度の受験合格を目指す塾であれば、生徒たちの質問に答えるためにも講師の学力は当然必要です。ただ、それであれば集団塾に通って講師に質問をするなり、高校生であれば予備校のチューター(かなりの学力がないと採用されません)に質問をするなりしているほうが、一斉指導の組み合わせでもあるので効率的な結果が残せるのではと考えます。

 

補足

上記の中では英信個別は2番目の「個別指導塾の講師の場合」に該当します。

ただ、英信個別には国公立大学医学部医学科の講師がいますが、このような学力の講師の存在はかなり珍しいです。

…とはいえ、「高い偏差値の大学受験合格」と「子どもたちのやる気を引き出す」は違いますからね。彼も丁寧に育成をしています。