塾に通うなら中3の9月まででないと意味がない理由

[記事公開日]2017/05/05
[最終更新日]2017/06/14

「入試に向けての勉強をしたい」ということで、中3の12月や1月に入塾を希望される方を時々見てきました。

ただ、中学校の先生との進路相談で「このあたりの偏差値の公立高校を受けてください」とある程度絞り込まれている時期です。私立高校に至っては受験校も決まってます。そこから勉強をがんばってもらっても志望校が変わることはほぼありません。

 

 

模試の結果なくして受験校変更はあり得ない

理由は、年度内の模試は最終は1月21日(五ツ木模試)1月14日最終(進研Vもし)で、1ヶ月程度の塾通いで3年間分の学習内容が出題される模試の偏差値が劇的に上がることは期待できませんし、上がったとしても1回だけの結果で志望校変更するのは難しいからです。この日以降はもう模試は実施されません。

中学校の先生は、今までの成績でもって進路を決めてくれています。例えば英信個別のある高槻市(大阪府)であれば、それまでの実力テスト・通知表の結果で総合的に判断をしています。

私も進路相談についてはそれらと複数回の模試の結果で判断をしますので、1月実施のたった1回の結果だけでは正直不安です。まして模試の結果ナシで志望校を変更するのはあり得ません。

ですから、塾でしっかりと準備をして、複数回の模試を受けて、その上で高校選びにつなげていく…となると、できれば遅くとも夏休み前には入塾しておいてほしいところです。私としては遅くとも9月です。

 

 

入試演習のみを希望される方

もちろん、そういう事情がちゃんとわかっておられた上で来られる方もいらっしゃいます。

例えば、「入試の過去問演習をしていて、そこでわからない部分だけをみてほしい」という志望校がすでに決まっていて、そのフォローとして通うことを希望される場合です。そして指摘した内容は自分で復習をちゃんとするなど自己完結ができる方です。こういう生徒を見ると効率がいいやり方だな、と感心します。

(お子さんがそういうタイプでないのに親御さんだけがこの行動を選択されると痛い目にあいますので、あしからず。)

 

 

塾の言いなりになって講習会を受けない

逆に損をするのはギリギリに来られて、塾の言うままに講座を受講される方です。

10万、20万円払って冬期の講習会を受けてもらったとしても、ほとんどの場合は受験校が変わることはないです。もっと早くに取り組んでもらっておいて、複数回の模試結果で偏差値が伸びれば中学校の担任の先生、保護者、本人、そして私も安心して志望校の変更の話ができますが、模試結果が1回だけ、もしくは上がった模試結果がない状態で上位高校入試にトライする…というのは推奨しませんし、できません。

それだったら、合格可能性が高い高校にひとまず進学しておいて、そのお金を大学受験のために使ってください、というのが本音です。

(冬期講習にウン十万円もお金を費やさないと合格できない可能性のある高校を、中学校の先生が進路相談で薦めてくる…とは考えにくいです。)

心と時間に余裕を持って塾を選択してもらいたいものです。