[最終更新日]2017/06/14
入塾の相談に必ずと言っていいほど聞いていることがあります。それは取りたい点数です。
取りたい点数≠取れそうな点数
「取りたい点数」は「取れそうな点数」ではありません。
例えば、前回のテストで60点だった子どもがいて、「次に何点取りたい?」と聞くと、それほど高い点数ではなく、「65点」「70点」などと答えてくれます。隣に保護者様がおられるとこの傾向はより顕著です。
そこで、「次のテストじゃなくても構わないよ」「この点数とったらうれしいだろうな、という点数を聞かせて!」「友だちやお母さんに自慢できる点数は?」などと聞くと、点数が上がります。
ポイントは、「取れる点数」ではないということです。「取りたい点数」を引き出すことです。
下の点数を願う子はいない
成績で悩む子どもたちに、その子たちに「何点取りたいの?」と聞くと、全員が今よりも上の点数を答えてくれます。
今回、60点だった生徒が「次は45点を狙いたいねん!」「次は50点取りたい!」というのは聞いたことがありません。
みんな、「70点かな」「100点!」「うーん…。80点以上…?」と言い方は様々ですが、今以上の点数を教えてくれます。全ての子どもたちは伸びようとしているんだな、と感じる瞬間です。
子どもたち一人ひとりの性格は全員違うのに、なんで下の点数取りたいって生徒はいないんだろうって不思議にも思います。
(「今よりも下の点数とると親や先生に怒られるから、上の点数を望むのは当たり前」という考えもありますが、怒っても勉強しない子どもたちはこの世にいっぱいいます。)
・どんなにスマホゲームに明け暮れている生徒でも。
・どんなにクラブに夢中になっている生徒でも。
・どんなに寝るのが大好きな生徒でも。
テストの点数は少しでもいいから上を取りたいと願ってます。もちろん、具体的な行動を起こしてまでその点数を取るか、となると個人差はありますが。
中途半端な目標ではやる気出ない
ここでさっきの取りたい点数の価値が効いてきます。取りたい点数のために、行動を変える気持ちがあるかどうかです。そこに挑戦してみようという気持ちがあるかどうかです。
前回は60点だった生徒が、次に70点を取る。これだとワクワクしません。だってそのままでも取れそうですから。
でも、90点を取ってみたらどうでしょう。一躍クラスのヒーローです。他の友だちから、「数学教えて!」「どうやって勉強したの?」と憧れの視線を一身に受けることができます。
お母さんやお父さんの見る目だって変わるかもしれません。今までは「できないできない」と言われていたのに、90点です。家族中大騒ぎ・・・。
面白くないですか?
ここまでの違いが作れるなら、ちょっとやってみようかという気持ちが出てきます。
(ただ、「こういう気持ちを出せ」というので関わると見透かされることもあります。他人をコントロールしようとすると、失敗します。)
「せめて平均点でも取れたらいいんです!」という保護者様もよく来られますが、お子さんがそれでワクワクするならいいんですけど。今までずっと30点だった生徒が、ある日80点取ることを目標に据えるほうが、ワクワクしてくれるんじゃないかと私は考えています。
私なりのいわゆる「やる気スイッチ」を押すポイントの一つがここです。
もし、これをお読みになっているのが保護者様なら、お子さんは本当は何点を取りたいのかご存知ですか?