保護者と私だけで講習会の受講数を決めない

[記事公開日]2021/06/30

私は、可能な限り、自分の勉強は子ども自身が自分で主体的に決めてほしいと思っています。

その例として、講習会の受講をどうするか、どの科目をどれだけ受講するか、といったことは保護者だけで決めないようにお願いしています。保護者様との面談時に、講習会の提案書(どの科目をどれくらい追加で受講してほしいかを記載した紙)を渡していますが、「保護者と生徒本人で相談して、受講するコマ数を決めてください」と伝えています。

「この塾では講習会の授業を全員必須にする」ということも考えましたが、自分で自学自習できる生徒も何人かはいることから、それはしていません。そういう意味で、自分で学習が進められる子どもは安く済みます。「今回は講習会を受けない」という生徒もいますが、ひと夏過ぎると実は全くやっていなくて、次からは「やっぱり授業で強制される方が良いな」となることもあります。本当に自分でできる子どもは、少数ですがそのまま講習会を受講しないスタイルを貫きます。

そういうことも含めて、自分で自分の行動を決める習慣をつけてほしいと思っています。講習を取らずに自分でやるという意味ではなく、弱い人間なのであれば(そもそもみんな弱い部分はあるのだから)頼るところはちゃんと頼って授業受けてね、その量は親や塾に言いなりではなく、自分で決めてね、ということです。

母親・父親だけが塾との面談に出かけて行って、帰ってきた親の口から、「アンタの講習会決めてきたで!英語と数学をこれだけ受けるんやで!」と言われてやる気が出るかというというとそういうものでもないと思っています。最初からそういう受講する仕組みになっているのなら納得するんでしょうけど。

自分でこの夏はどう過ごすかを主体的に考える。そういう機会だと思っています。

「自分の勉強は子ども自身が自分で主体的に決めてほしい」というのは、別に講習会に限らず、「この塾にいてもこれ以上成績が上がらないな」と思うなら、退塾して別の塾に行けばいいということも含みます。私から退塾を止めることは一切しませんし、月末ごとの退塾であればすぐにできるようにしています。すでに入金された翌月分の授業料も全額返金します。なんなら次の塾選びの相談にも乗ります。

入塾時もそのスタンスです。「長期休暇ごとに英単語マラソンやってますよ」「英語の授業では英単語の宿題が出て、翌週にテストして不合格だったら居残りあるよ」「定期テストの前の土日はテスト範囲の学習チェックやってて、終わるまで教室に残ってもらうよ」と説明して、「ここで勉強頑張りたいと思ったらどうぞ」としています。その話を聞いて、入塾するかしないかは子どもの判断に任せています。以前あるお母様から「うちの子、入塾したくないと言っているんですが、なんとか入れさせたいんですけど…」と言われたこともありますが、「それはお子さんの気持ちが変わるまでお待ちください」と返事しました。気持ちを変える術は私は持ち合わせておりませんので…。

自分が得たい成果を得るために何ができるかを自分で決めて、そして実行に移す。ここはそういう場所です。私はそのお手伝いをしているに過ぎません。

補足:

ただ、特に成功体験がない人に対して最初から「全部自分で決めなさい」とすると、私はその人は楽な方に向かうと思っています。「どれくらいの量を勉強したらいいかわからない」「どの問題集をどれだけやればいいかわからない」からです。だからこそ、完全に放任することはせず、講習会を受講しないにしても自分でこれだけの量はこなすように、ということは伝えるようにしています。学習の内容までは自由にはさせていない、ということです。