塾からの報告書では褒められているのに点数が伸びない理由

[記事公開日]2017/06/15

ある生徒が授業を受けてくれたとします。

説明を聞いて「わかった!」と言います。

授業の最後に、今日の授業内容に関する宿題を出します。

翌週の授業時に確認をすると、「難しかった」と言って宿題が半分程度しかできていません。簡単なテストで確認すると先週の内容を忘れていることがわかりました。

…塾あるあるです。今までに数限りなく経験しました。

 

なぜこのような現象が起こるかというと、授業を受けた翌日までに宿題に取り組んでいないからです。

塾に来る前日に1週間前の内容を復習していないからです。

宿題を「作業」と思っており、1回だけやって終わるからです。

 

宿題は翌日までには1回はやっておく

個別指導塾には神様みたいに説明がうまい人がいて、その人の解説を1回聞いたらずっと覚えてくれる、なんてことはあり得ないです。授業時間以外の演習・問題の反復はとても大切なことです。

でも残念なことに、塾の講師から「はい、これが宿題だよ」と出されても、それを子どもたちが取り組んでくれるのは8割がたは、その提出日の前日です。私の経験ではそうでした。

「そういえば明日は塾やったわ!まだ宿題やってへんかった!」と思い出して、慌ててちゃちゃっとやる。でも、説明を受けてから6日も時間が空いているので、内容を忘れています。

そもそも、学校で数学や英語の説明は聞いています。でもそれだけでは理解できない・テストで点が取れないから、わざわざ時間とお金をかけて塾に来てくれています。そんなお子さんの場合、ちょっと説明を聞いただけでそのあと1週間も勉強していなかったら忘れてしまわれると考えるほうが自然です。

繰り返しますが、塾で習ったことは、まだ記憶の残っている翌日には1回は取り組む。そして翌週の塾の前日にもう1回見ておく、です。

 

学校の宿題と塾の宿題は違う

学校の宿題は、各科目に対しての「関心」「意欲」を先生がチェックし通知表に反映する側面があるので、ある意味で「提出すること」が大事です。学校の先生としては、授業中に教えた内容を家庭学習で定着させてほしいという意図で出されているのでしょうが、子どもたちは全員、無意識に「宿題は1回だけやればいい」と思っています。

でも、本当は「1回だけでいい」なんてルールはありません。「1回やったら終わり」というのは、100点取れる人の発言です。

「宿題を1回やったけど、半分も間違えたわ…」というのであれば、2回やりましょう。3回やりましょう。「この宿題、100%解けるようになった!」と言えるまでやるんです。

一見、「宿題の量がべらぼうに多くて大変じゃないの?」と思いますが、だんだんわかってきます。勉強の時間の作り方、計算に対しての理解がついてきます。最初のうちは苦労して覚えていた英単語も、徐々に覚え方のコツがつかめます。今までに一番できるな、と思った生徒は書かずに発音だけで英単語を習得していました。

「3回やらないと理解できなかった」という生徒も、そのうち1回の復習だけで100%できるようになります(全員とは言い切れませんが)。

 

 

「塾から送られてくる授業報告書に『よく理解してくれています』『がんばっています』と講師からのコメントが書かれているのに、全然成績が上がっていない」、という場合はここに理由があるのではと思います。

確かに、塾の授業中は理解できているんでしょう。塾の80分か90分の授業はしっかりと取り組んでいるんでしょう。

でも、空いた1週間の間をどう使うかです。1週間後になって1週間前の授業内容を忘れていないことがポイントです。

お子さんの通われている塾はどうですか?