入塾希望者に説明をした後、席を外すようにしています

[記事公開日]2021/02/28

今から10年くらい前になりますが、大手の個別指導塾で教室長をしていたころ、入塾して1ヶ月で退塾した生徒がいました。

その生徒は授業開始してから1回も授業に来ませんでした。最初のうちは、こちらから保護者に電話をかけて、「授業が始まったのですが、まだお見えになられない」とお伝えしていましたが、何回電話をしても一向に来られないままでした。

そうして1ヶ月ほど経った頃、保護者から猛烈に叱られました。「やる気を高めると言っておきながら、一向にその気配が見られない」「やる気を高めるとと言ってたから期待して入塾させたのに」ということでした。

当時私が働いていた塾は確かにお子さんのやる気を高めることを謳っていましたが、さすがに授業に来ないことには…

そういうこともあって、自分で塾を経営している現在は、最初に授業を受ける本人のやる気を確認するようにしています。そしてこの塾はどういう塾かということを最初にしっかりと説明するようにしています。(当時もそうしていたと思うのですが、より念入りに)

  • 英語の授業時には毎回単語テストがある。不合格なら再テストがある。
  • 英語の授業の有無にかかわらず(有料の英語の授業を受講しているかどうかにかかわらず)、在籍生は英単語のテストが年に3回ある。(英単語マラソン)
  • このテストが期限までにクリアできなかった場合は、自習に招待している。
  • 中学校から出される、春休みや夏休みの宿題は、早めに終えて塾に見せに来ることになっている。
  • これも期限までにできなかった場合は、やはり、自習に招待している。
  • 定期テスト前の土日には、5教科の定期テスト対策『総演習』を行っており、完了するまで残ってもらうことになっている。
  • 全員に参加してほしいので、上記の内容は全て追加の料金をもらわないことにしている。

これらの話をすると、保護者様はたいていニッコリしてくださいますが、子どもは「え?」という顔をします。英単語マラソンの単語リストを見せるとほとんどそうなります。

入塾のための学力試験などは設けていないのですが、ある意味この説明が入塾試験のようなものです。この塾の取り組みを一通り説明した後で、私は面談室から席を外して、お子さんと保護者だけになる時間を数分間作っています。私がいると「こんな塾には行きたくない!」と言いにくいでしょうから、お子さんがそのことを保護者に訴えるための時間です。

事実、何名かの方がここで去って行かれます。

私としては成績アップに向けて貪欲な方には格好の内容になっていると思いますが、限られた時間をどれだけ勉強に捧げるかを決めるのは生徒自身ですからね。その気があれば当塾を選んでいただければ結構です。

最初の話に戻りますが、正直言って、子どもたちのやる気を高めることは私にはできないと思っています。ただ、「もともとある『成績を上げたい気持ち』を形にするお手伝いはできる」と思っています。話だけでも聞いてみたい、という方はお気軽にお問い合わせください。