人は皆、24時間を平等に与えられています

[記事公開日]2021/05/20

塾長である私から、「自宅ではこれこれこうやって勉強してね」と説明をして、子どもたちがみんなその通りにするかというとそんなことでもないです。

「塾で指示したことがいつまで経ってもできない理由」はたくさん聞かせてもらえます。「学校の宿題が多いからそこまでできない」とか「やる気が起きない」とか「学校から帰ってきたらクラブで疲れてしまって寝てしまうんです」とか。自分なりの時間の使い方があって、多くの子どもたちはそっちを優先します。そのような事情があるのは理解できます。

でも、それを言ってたらいつまで経っても今のままで変わりありません。

言い方は悪いですが、そういう子どもたちは何かしらの痛みを感じてもらってはじめて、「塾の先生の言うことを聞いてみるか」となります。模試の結果が志望校に全然届いていないとか、周りはどんどん単語テストをクリアしているのに自分は全然覚えていなかったから恥ずかしい思いをした、とか、そういう経験です。

こういう体で感じてもらった経験は、私があれこれ言うよりもずっと意味があることのように思っています。でもこれにはデメリットもあって、それは時間がかかることです。中3の受験生になって入塾してから、定期テストでつまづいてそこから反省して本気になって取り組む、なんてしていると入試に間に合わない可能性が出てきます。

…でも、それも含めての「勉強」なんですよね。単に「因数分解が解ける」とか「飽和水蒸気量の計算ができる」とかそういうことではなくて、もっと広い意味で、「自分の時間の使い方を、自分でコントロールできるかどうか」を試されている、と。ぜひここに価値を見出してほしいと思っています。