学習量を意識した勉強の落とし穴

[記事公開日]2017/03/02
[最終更新日]2017/06/14

学習したページ数・時間を自慢する子ども

これまでの塾生活で多くの子どもたちが「先生、今日は10ページも勉強したよ!」と笑顔で言ってきてくれました。うれしいことです…、と言いたいのですが、それで本当に実力がついたといえるのか常々疑問に思い、以下のような話をします。

 

区別するための学習

10ページ問題を解いて、その問題の全体の正答率が70%だったとしましょう。そこでわかるのは、「その生徒は7割そのページが正解できる実力があった、そして残り3割は今回はできなかった」ということです。言い換えると、「その生徒はどの問題が解けて、どの問題が解けないのかを『区別した』だけ」です。これでは実力を伸ばす本当の勉強とは言えません。

できなかった残りの30%ができるようにするのが勉強です。

そのために、暗記・暗唱するなり、繰り返し書くなり、解答を熟読してもう1回挑戦してみるなりすれば、「成長する」のでしょうが、多くの子どもたちがこの「ページ数」というバロメータや学習時間で満足します。

「10ページやったぞ!」「今日は4時間も勉強したわ!」です。

本来はページ数ではなく、正答率、もっと言えば正答率がどれだけ伸びたかで満足してほしいです。だって、テストはやってきた問題集のページ数で評価されないでしょう?

 

できなかったことを次はできるようにする

勉強で大事なのは、できなかった箇所を直視して、そこを次はできるようにすることです。

テストの直しはイヤなのは私もわかります。自分ができなかった、失敗した部分を直視するのは、本当に辛いことです。けれども、だからそこに成長のカギがあるとも考えられます。今までできなかったことをできるようにするのが「勉強」です。ぜひ、2回目に挑戦してほしい。そして、80%の正答率を、100%の正答率を求めてください。

英信個別では宿題をそのように扱っています。