個別指導塾の講習会の受講料交渉の方法

[記事公開日]2017/06/16

「個別指導塾の講習会は高い!」と前職では何度聞いてきたでしょうか。(前職は大手個別指導塾で勤務していました)

そこで、どこかのお通いの個別指導塾にすでにお通いの方を前提に、個別指導塾の授業内容は変更できる可能性があることを紹介しておきます。

 

提案される内容のまま受けないといけないのかを確認する

例えば、夏休み前にはお通いの学習塾から夏期講習会を提案されると思いますが、夏期講習とは別に通常の授業も続いている場合、通常授業と夏期講習のそれぞれが並行して実施されることになります。そこでそれぞれがどんな授業内容になるのかをキチンと確認されることをお勧めします。

*一部ですが、夏期講習会期間中は完全に通常授業は休みになる塾もあります。

例えば、塾の担当者から「夏休みの間に講習会を受けて英語の苦手単元を克服しましょう!」と言われたとします。お母様も「確かにその必要はあるな、前のテストの結果もあまり良くなかったし…」と思われるかもしれません。

でも、学校の授業が行われない期間でも、週1回、1教科だけでも7月後半から8月の末にかけて5回ほどは塾の通常授業があります。

夏期講習は苦手単元の克服に費やすとして、ではその間の通常授業では何をするのかを確認しましょう。

「夏休みの間の通常授業は何をするんですか?」

「通常授業で苦手単元を扱うことはできないんですか?」

「1ヶ月半の通常授業だけでは終わらないくらいたくさんの苦手単元があるんですか?」

「『日々の宿題の量を増やす、そして授業時にテストする、そして『できなかったら居残り』で対応してもらえませんか?」

こう質問を展開していくと、カリキュラムが変更されて講習会の受講コマ数を下げられる可能性が出てきます。要するに、塾で一から十まで全部を教えてもらうわけではなくて、自宅や塾の自習室での自主学習の形式に持っていくわけです。

(最初からそういう「宿題前提」の提案をしてくれる塾もあります。英信個別はそうしています。授業は必要なだけしか入れません。)

 

塾の担当者の教務力を見る格好の機会

あと、面談などで塾の担当者がしどろもどろにならずに明確に答えられるかが、その塾の担当者の力量を見られる良い機会になります。

  • そもそも家庭や塾の自習室での自主学習を前提にした内容で提案されているか

⇒集団塾なら全単元の学習を扱うのは当然のことなのですが、個別指導塾の授業(有料)で全部やろうとすると膨大な授業数になります。それをそのまま提案してくる塾があります。全ての復習をするにしても、自主学習(無料)で対応してくれるか、です。

  • 塾側が先々の計画を立てられているか

⇒通常授業と講習会授業で何を扱うかが明確になっているか、です。それぞれのカリキュラムはいったい何のテストでどれくらいの点数を取るために組まれているのか。模試の結果創出か、それとも定期テスト対策なのか。

 

「オーダーメイドカリキュラム」だと特に交渉の余地がある

「個別カリキュラム」「オーダーメイドカリキュラム」を標榜している個別指導塾であれば、提案されているコマ数をそのまま受けないといけない、というわけではなく、この対応ができるはずです。

なぜなら、「一人ひとりに合わせてカリキュラムを組める」と明確に謳っているからです。宿題を中心にしたカリキュラムに組み替えてもらうと、講習会の費用はかなり下げられるはずです。

「夏休み期間だけの一斉指導」や「統一したカリキュラム」といったものは微調整が難しいですが、この変更ができるのはある種、個別指導ならでは、です。ぜひ参考にしてください。

 

そもそも学習意欲がないなら講習会は不要

ところで「学力が低い」と判断される生徒に対しては、塾は「説明をする」「教え込む」ことでそれを克服しようとします。ですから、そのような生徒ほど、たくさんの授業を受けるようにと提案されます。そして受講料が上がります。

ポイントは、「学力が低いなりに努力をしてるか」、です。お子さんが自宅で一生懸命に勉強をしており、何とか点数を上げようと努力されているのであれば、ぜひ受講しましょう。もちろん、言うまでもなくそういう姿を見ていると財布のひもも緩むと思います。

しかしながら、お子さんが宿題をやらない、自宅で勉強している様子がないのであれば、講習会を受けられないか、もしくはその塾を去ることを検討されたほうがいいです。

わざわざ講習会を受ける。勉強はしているが塾でだけ。自宅ではソファでゴロゴロ…。それで得られるのは「現状維持」の点数です。

なお、私はそのような生徒には講習会を提案していません。厳しい言い方ですが、退塾の相談をします。彼の貴重な時間や、ご家庭にお支払いいただく授業料、そして我々の授業がもったいないです。週に1回、80分の授業での解説とわずかな問題演習だけでは覚えられません。自宅で問題演習を繰り返してもらって、ようやく理解できます。点数に反映されます。

本人が、またいつか危機感を持ったり、志望校が見つかるなどして学習への意欲が高まってくれたなら、あらためて相談に来てください、です。何度でも受け入れます。

 

英信個別の夏期講習会の例

ちなみに、英信個別では公立中学生を例に挙げると、英語と数学と理科の3科目を提案しています。社会は説明するまでもないので自分でやってもらいます(問題集で復習範囲を指定します。進捗を確認して印鑑押します。)。全員に一律で「ここまでできている状態にする」を決めています。国語は扱いません。たくさん勉強してもそれほど点数が伸びる科目ではないからです。

自主学習がちゃんとできる生徒の場合は、講習会を無しにもできます(元々自習によく来ているか、結果を出しているか、志望校の偏差値に到達できているか、等で判断)。しっかりと自分で勉強してるのですから通常授業だけで結構です。わからないところは自習に来て質問してくれたらいい、という考え方です。

ほとんどの生徒には、1教科あたり、週2コマ程度で、自宅学習の進捗度合いのチェックを入れます。やってこなかった場合は、心苦しいのですが居残りをしてもらいます。それくらいの覚悟で授業に来てほしいです。