仕事のやり方を練習する期間としての中学・高校生活

[記事公開日]2021/07/27

大人になって悩まされることの一つに、「仕事のやり方」があります。

高槻市の公立中学校では、夏休みの宿題をB4の紙1枚にまとめてくれています。英語の宿題はこの問題集の何ページから何ページまで、それとプリント冊子1冊、それを8月○日までに提出すること、ということを学校の先生が作ってくれています。ですからそれを見れば、何が終わっていて何がまだ残っているかを確認することができます。

でも、社会に出るとそういうことはほとんどありません。仕事がやってくるたびに手帳なりスマホなりに「自分で」まとめていかなくてはなりません。紙やデータで仕事が振られる場合もありますが、お客さんと会話をしているときに出てきた情報をメモする必要もあります。

そして自分でその仕事の締め切り日を設定もします。1か月後に作成を指示された報告書も、その前日に取り掛かればいいかというとそういうわけでもなく、お客さんから意見を集めたりネットで情報集めたり現地に赴いて写真撮ったりとすることを考えると、それぞれの締め切り日を設定しておかないと後で間に合わなくて焦ることになります。

定期テストの勉強とか、長期休暇の課題とかはそういう「大人になってからの仕事のやり方」の練習に近いように思っています。極端に言えば、関係代名詞とか因数分解とか、もちろんそれを使って発展的な学習につなげられますが、それよりももっと社会に出ていこうとした際に「何を」「いつまでに」「どうしていくか」を考えて実行していくことが大事なんだと思う次第です。会社の仕事だけではなく、家事や育児、なんならレジャーの計画だってそうです。行き当たりばったりでやれないことももちろんないのですが、でも効率の良いやり方が身に着いていると、よりたくさんのことが短い時間でできるようになります。

これは別に「計画表をキッチリ作りなさい」と言う意味ではないです。「○時からはこの仕事を」「○時になったらあっちの仕事を」ということは、そういうことができる職種ならいいですが、急に入ってくる仕事もあるでしょう。消防士であればいつ火災が起きるかわからないし、その消火作業が最優先の仕事です。消防士に限らずどんな仕事でも、家事でも、育児でも、急に舞い込んでくる緊急性を要することはあります。それにも迅速に対応できる仕事の仕方があるわけです。

「入試までに時間が足りませんでした」「もうちょっと時間があればもっと勉強できたのに」と言いますが、それも含めた入試や定期テストと考えれば納得ができます。時間は各人に平等に与えられています。その中で、どういう科目をどれくらい学習して定期テストに臨むか、です。1回の学習で英単語がほぼ暗記できる子どももいるでしょうし、そうでない子もいます。ではそうでない場合、どうやってそれを克服するか。前日にやりこむのか毎日毎日取り組むのか、あなたにとっての最善と思われる学習方法はなんですか?それは全ての内容を漏れがないようにできていますか?

中途半端にこなさずに、5教科、9教科全てのテスト勉強をやり切った状態を毎回作り上げるためにどうしたらいいですか?ざっくりした言い方ですが、中学生には3年間でこれを成し遂げてほしいと思っています。だから私は、英単語の暗記や定期テストの学習、夏休みの中学校からの宿題の進捗をチェックするおっさんになっています。