面接練習で受験生に確認していること
高校入試、大学入試における面接練習を毎年行っています。
ポイントになるのは、「将来どんな人になりたいと考えているか」をキチンと設定しておくことです。
多くの子どもたちは「そんなこと考えたこともない」と返してきます。
実のところ、私もそうで中学3年生の時には全く考えていませんでした。ただ友だちとの日常生活を、中国史に関する本を楽しむ、自宅に帰ってからはゲームのレベル上げにいそしむ、そんな人生でした。
でも、せっかく受験を迎えるタイミングですから、少しそんな将来の姿、15歳の子どもたちに10年後の25歳に何をしていたいかを考えてもらいたいのです。
「どんな人生送っていたら面白い?」
「どんなことやって、人生送っていたい?」
そして添えるのは、「今思っていることから変わっても構わない」という言葉です。「お前、あの時、政治家になりたいって言ってたやん!」ってわざわざ10年後に追及することはしません。
ひとまず、気楽に、でも正直に考えてもらいたいのです。
そこでこんな言葉が出てきます。
①「大金持ちになってのんびりしていたい」
②「プロのサッカー選手!」
①「大金持ちになってのんびりしていたい」
面接でこのことを言うと、面接官から人間性を疑われます。正直に言ってくれたのでしょうが…。
ちょっと考えてみるとわかりますが、ベクトルが自分に向いているんですよね。大金持ち、大きな家、みんなから愛される人生、美人のお嫁さん(玉の輿)…。これらは自己満足の世界です。
こういう返事が返ってきたときには、あなたは何を社会に与えて貢献するのか、という話をします。
自分が得意とすることを相手にすると、相手からは「感謝の言葉」と「お金」が返ってきます。「『労働』とはそういうことだから、もしお金持ちになりたいのであれば、自分は何を通してお金稼ぐの?」と聞き返します。(たまに思考がストップする生徒がいる場合はまた日を改めて。)
②「プロのサッカー選手!」
明確な職業を挙げてくれる生徒ももちろんいます。サッカー選手、弁護士、警察官、学校の先生など、理想とする職業を挙げてくれる生徒には、「どんなサッカー選手か」を聞くようにしています。
というのは、サッカー選手はたくさんといます。弁護士、警察官もそうです。ですから、そこからさらにあなたならではの個性を聞きます。
「世界中のファンがしびれる、見事なシュートが決められるサッカー選手」
「子どもたちの質問にズバズバ答えていく、知識溢れた学校の先生」
「どんな小さな悪事も見逃さない、けど、弱い人たちには優しい警察官」
その夢の実現のために、志望する高校に、大学を、あなたは受けようとしているのです。「なぜ、志望校をその高校(大学)にしたのですか?」と質問は続きます。このやり取りを通して、面接での受け答えを固めていきます。
高校入試の面接で入試の合否が決まるか
結構時間をかけて練習しますが、大学入試はともかく、高校入試で落ちる生徒はまずいません。私の15年の経験で、不合格だったのは1名だけです。その子は面接でタバコを吸っていることを正直に話した生徒でした。面接後、なんでそんな話をしてしまったのかと反省しきりでしたが…。
高校入試の面接は、正直に言えば、そつなく、適当に返事ができれば合格する世界です。
でも、人生の大きな意味を持つ入試ですからね。自分はいったい将来何になりたいのかを考えてみる機会にはしてほしいのです。勉強のやる気もちょっとは変わります。
皆さんは将来何になりたいですか?
この文章を読まれているのが保護者様の場合、お子さんが将来何になりたいかご存知ですか?
追記
なお、英信個別では通塾されていない方への面接練習は行っていません。通常授業を受けている塾生にのみ実施しています。「面接だけお願いします」はお断りしていますのでご了承ください。